カテゴリ: stock-research公開日時: 2025-08-27

Citi Trends (CTRN)の2025年Q2決算は強気な結果を発表、売上高8%増、EPS0.46ドル(予想-0.92ドルを上回る)、同店売上高9.2%増を達成。本分析では事業モデル、財務パフォーマンス、更新された財務見通しを詳述。

Citi Trends (CTRN) 2025年Q2決算分析:EPS151%急増、同店売上高9.2%成長

記事要約

Citi Trends (CTRN)の2025年Q2決算は好調を続け、EPSが-0.78ドルから0.46ドルへと151%改善。売上高は8%増の1億9080万米ドル、同店売上高は9.2%増加(4四半期連続成長)。3層製品戦略と運営効率の向上により粗利率が40.0%まで拡大し、全年間見通しを上方修正。本稿では業績の成長要因と今後の展望を分析する。

会社事業概要

Citi Trends(NASDAQ: CTRN)は米国大手オフプライス小売業者で、アフリカ系アメリカ人家庭を主なターゲットとし、衣料品・アクセサリー・家庭用品を提供。「トレンディ商品+ブランドオフプライス+極値必需品」の3層製品戦略で、全米33州に590店舗を展開。低価格とファッション性を兼ね備えた商品構成で、価値重視型消費者を獲得しており、同店売上高は12ヶ月連続で増加している。

財務パフォーマンス分析

主要財務指標

指標 2025年Q2 2024年Q2 前年同期比変化
総売上高 1億9080万米ドル 1億7660万米ドル +8.0%
同店売上高 +9.2% -1.7% +10.9パーセンテージポイント
粗利率 40.0% 31.1% +890ベーシスポイント
1株利益(EPS) 0.46ドル -0.78ドル 損失から黒字化
純利益 380万米ドル -1億840万米ドル 損失から黒字化

主な差異分析

  • EPSの急回復:マージン拡大とコストコントロールにより、EPSがアナリスト予想の-0.92ドルを大幅上回る0.46ドルを達成。
  • 粗利率改善:値下げ削減・在庫ロス低減・全価格販売比率向上などにより、粗利率が890ベーシスポイント改善。
  • 同店売上高の勢い:来客数・購買点数・コンバージョン率の上昇により、同店売上高が9.2%増加。

収益力分析

粗利率は40.0%(2021年Q2以来の最高値)まで拡大し、前年同期比890ベーシスポイント改善。主な要因は:

  • 値下げ促進の削減と全価格販売比率の向上
  • 在庫管理の最適化による損失低減
  • サプライチェーン効率化による運賃コスト削減

販管費(SG&A)は7%増の7890万米ドル(売上高規模拡大と業績連動報酬の増加による)だが、売上高成長により吸収され、純利益は380万米ドルを計上(前年同期は1億840万米ドルの損失)。調整後EBITDA損失は260万米ドルに改善(前年同期1720万米ドル)。

事業の主な成果

製品戦略の有効性

3層製品戦略が収益成長を牽引:

  1. トレンディ商品:ファッションリード商品により来客数増加(特に衣料品カテゴリー)
  2. ブランドオフプライス:20-30%の値引きでブランド商品を提供し、コンバージョン率向上
  3. 極値必需品:5-10ドルの生活必需品により客単価12%増加

CEO Ken Seipelは「コア顧客層に焦点を当て、製品アソートメントを最適化することで、顧客の来店頻度と購買点数を向上させた」とコメントしている。

運営改善

  • 在庫効率:商品在庫を前年同期比12.9%削減し、在庫回転期間短縮と保管コスト削減を実現
  • 店舗最適化:15店舗の改装を完了(全年間50店舗計画)、非効率店舗3店舗を閉鎖
  • サプライチェーン:運送会社との交渉で単位当たり運賃を4.3%削減

将来見通し

同社は全年間業績予想を上方修正:

  • 同店売上高成長:中高単位数(従来中単位数)
  • EBITDA:700-1100万米ドル(前年同期比2100-2500万米ドル改善)
  • 成長原動力:8月の新学期(Back to School)シーズンの好調がQ3に続く見込み

リスク要因
⚠️ Dollar GeneralやBurlingtonなどの競合企業との価格競争激化
⚠️ 中低所得層の消費力低下(インフレの影響)
⚠️ 在庫と消費者トレンドのミスマッチによる値下げリスク

参考文献

  1. Citi Trends 2025年Q2決算リリース
  2. Investing.com 分析レポート